FDM(Forward Deployed Marketer)とは? AI時代、戦略から実行までを担う新しいマーケターの役割
はじめに|オリガミ株式会社の2つの事業
オリガミ株式会社は、2026年9月1日に設立された、海外ブランドの日本市場展開とマーケティングを手がける企業です。
当社の事業には、大きく2つの柱があります。
1つ目は、海外ブランドの日本市場展開事業です。
海外ブランドの日本における販売権を取得し、輸入からマーケティング、販売チャネルの構築、販売促進までを一貫して担います。
単に海外製品を輸入・販売するのではなく、日本市場におけるブランドの成長を、自社事業として推進することが当社の主力事業です。
2つ目は、FDM(Forward Deployed Marketer)としてのマーケティング事業です。
国内企業の事業成長や、海外ブランドの日本市場参入において、マーケティング戦略の立案から実行までを担います。
例えば、海外ブランドが自社で日本市場への参入を進める場合、当社が販売代理店となるのではなく、日本市場におけるマーケティングを専門的に担当することも可能です。
この2つの事業に共通しているのが、戦略を描くだけでなく、自ら実行し、事業成長につなげるFDMとしての専門性です。
本記事では、2つ目の事業の中核となる「FDM」という新しいマーケターの役割について紹介します。
FDM(Forward Deployed Marketer)とは
FDMとは、クライアント企業の事業や組織に深く関わり、マーケティング戦略の立案から施策の実行、運用、改善までを横断的に担う専門職です。
その考え方の源流には、テクノロジー業界で広がってきたFDE(Forward Deployed Engineer)があります。
FDEは、顧客企業の現場に入り込み、実際の業務課題に合わせて技術やシステムを実装するエンジニアです。
FDMは、このアプローチをマーケティング領域に応用したものです。
2026年8月26日には、博報堂がFDMを次世代の新職種として紹介しています。
また、2026年10月14日には、国内電通グループが約3,000人規模のFDE・FDMスキル開発を開始すると発表しました。
広告・マーケティング業界の大手企業も、戦略と実行をつなぐ人材の育成に取り組み始めています。
FDMの本質は、戦略を提案して終わるのではなく、事業の現場で実行可能な状態に変え、成果につなげることにあります。
FDMと従来のマーケター、CMO、コンサルタントの違い
従来のマーケティング業界では、戦略を考える人と実行する人の役割が分かれていることが少なくありません。
コンサルタントが戦略を立案し、広告代理店が広告を運用し、制作会社がWebサイトを構築する。
それぞれに専門性がある一方、施策全体を横断し、事業成長に向けて実行を推進する人材が不足することもあります。
FDMは、こうした戦略と実行の間にあるギャップを埋める存在です。
| 職種 | 主な役割 |
|---|---|
| マーケティングコンサルタント | 課題分析、戦略立案、改善提案 |
| 広告代理店・運用担当者 | 広告や個別施策の実行・最適化 |
| CMO | マーケティング全体の戦略・組織・投資判断 |
| FDM | 事業の現場に深く関わり、戦略を具体的な施策や仕組みに実装する |
※上記は役割を理解するための整理であり、実際の業務範囲は企業や契約によって異なります。
FDMは、既存のマーケティング職を置き換えるものではありません。
むしろ、それぞれの専門性を理解し、必要な人材やテクノロジーを組み合わせながら、戦略を実行に移す役割を担います。
振り返れば、これまでの仕事がFDMだった
オリガミ株式会社の代表取締役・長峰圭以は、これまでマーケティング戦略の立案から広告運用、SEO、Webサイト改善、データ分析、CRM、コンテンツ制作まで、幅広い領域に携わってきました。
経営者と事業課題を共有し、戦略を考え、必要な施策を自ら実行する。
時には専門家や外部パートナーと連携しながら、成果が出るまで改善を繰り返す。
こうした働き方を続けてきました。
振り返れば、これまで実践してきたマーケティングの仕事は、まさにFDMと呼べるものだったのです。
ただし、従来は一人のマーケターが担える業務範囲には限界がありました。
マーケティングには、戦略立案だけでなく、クリエイティブ制作、データ分析、システム構築、広告運用など、多岐にわたる専門性が必要だからです。
その状況を大きく変えつつあるのが、AIとAIエージェントの進化です。
AIとAIエージェントが、FDMを現実に近づけた
生成AIやAIエージェントの登場によって、マーケターが自ら実行できる業務の範囲は大きく広がりました。
市場調査、競合分析、コンテンツ制作、データ分析、CRM、業務自動化、Webサイトの構築など、従来は複数の専門職が分担していた業務にも、AIを活用しながら取り組めるようになっています。
特にAIエージェントは、単に質問に回答するだけではなく、複数のツールやシステムを利用しながら、一定の業務プロセスを実行できる可能性を持っています。
これによって、マーケターは戦略を立案するだけでなく、その戦略を実行するための仕組みまで構築しやすくなりました。
もちろん、AIを使えば誰もが万能になるわけではありません。
魔法使いのように、あらゆる専門領域の仕事を一人で完璧にこなせるわけではないのです。
専門的な判断が必要な領域もあれば、人間同士のコミュニケーションや経験が欠かせない仕事もあります。
AIの出力を評価し、適切に活用するためには、マーケター自身の知識や判断力も求められます。
それでも、AIとAIエージェントを手にしたことで、これまで理想とされてきたFDMの働き方は、現実的なものに近づいています。
そして今後、こうしたテクノロジーを活用しながら、戦略から実行までを横断するマーケターが増えていくと考えています。
2026年8月から始まったFDMとしての発信
長峰圭以は、2026年8月31日、X(旧Twitter)でFDMという職能について発信しました。
当時の投稿では、マーケターとしての自身の役割を考える中でFDMという概念に着目し、その特徴を紹介しています。
翌9月1日にはオリガミ株式会社を設立。創業時からFDMという肩書きを掲げ、マーケティング戦略の立案から実行までを担う事業を開始しました。
FDMという概念そのものは、当社の創業以前から存在していました。
当社は、この言葉を最初に考案したと主張するものではありません。
一方で、2026年8月の段階からFDMに着目し、9月の創業時から自らの職能として掲げてきたことは、当社の事業における重要な経緯です。
今後も、女性FDMとしての実践と知見を発信し、この職能の認知と発展に取り組んでいきます。
FDMに必要なのは、すべてを一人でこなす能力ではない
FDMに求められるのは、あらゆるマーケティング業務を一人で完結させることではありません。
事業課題を正確に理解し、何を実行すべきかを判断し、必要な人材やテクノロジーを組み合わせて成果につなげることです。
AIに任せられる仕事はAIに任せ、専門家の力が必要な領域では適切に連携する。
そして、マーケター自身は事業全体を俯瞰し、意思決定と実行を前に進める。
重要なのは、何ができるかではなく、事業成長のために何を実現できるかです。
オリガミ株式会社は、海外ブランドの日本市場展開を自社事業として推進するとともに、その実践で培う知見をFDM事業にも還元していきます。
マーケティングとテクノロジーを横断し、戦略と実行をつなぐ。
それが、当社の目指すFDMのあり方です。
参考資料
- 博報堂DYホールディングス(2026年8月26日)「戦略と実行のギャップ」を乗り越える。FDMが牽引する博報堂のマーケティングプロセスオーケストレーション
- 電通デジタル(2026年10月14日)「国内電通グループ、3,000人規模のFDE・FDMスキル開発を開始」
- 長峰圭以 X投稿(2026年8月31日)https://x.com/nagamine_node/status/2094258894109642772
会社概要
オリガミ株式会社(ORIGAMI Inc.)
設立:2026年9月1日
代表取締役:長峰圭以
事業内容:海外ブランドの日本市場展開・輸入販売、FDMによるマーケティング事業